講演会で寄せられた中学生の相談 > 顔面蒼白で涙目!?


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顔面蒼白で涙目!?

 
 2011年9月19日です。こんにちは、ストロング宮迫です。

 運動会で熱中症というニュースが各地で相次ぎました。

 この時期は運動会の開催がピーク。

 現在では5月、6月など暑くなる前に運動会を行っている学
 校も多くなっていますが、今年の熱中症で生徒が搬送される
 事態を考えると、来年以降は行事日程を変更する学校も結構
 出てきそうです。

 ストロングがガキの頃は生徒数も多かったこともありますが、
 運動会といえば朝から夕方までやっていましたが、今では午
 前中で終わってしまう学校も多い。

 まあ、長ければイイというもんでもないでしょうが、長さと
 準備期間があるゆえに運動会は子供たちにとって一大イベン
 トでもありました。

 最近の子供たちの話を聞いていると、運動会が特別なイベン
 トにはなっていないことを感じます。

 こうした熱中症の問題が大ごとになると、おそらくプログラ
 ムの縮小や時間短縮が大きなテーマになってくるでしょうか
 ら、ますます運動会は「イベント」ではなくなってくるのか
 もしれませんね。

 でも、私立の一貫校が6年生まで揃って大人数で「イベント」
 としてやる運動会に魅力を感じている方は結構多いでしょう。

 そういう意味では公立の学校の魅力を盛り上げていく上では
 運動会などのイベントは大事なようにも思います。

 どうぞ十分お子さんに注意を払ってあげてください。

 さて、ストロング家の次男坊も運動会が先日ありました。

 そこで事件は起こりました。

 事件と言っても、血とかは出ないですけど。

 体操服を忘れて行っちゃんたんです!!

 信じられないって!?

 ええ、ストロングも信じられません!

 確かに体操服は持って家を出たのですが、駅に止めた自転車
 のカゴの中に置き忘れちゃった。

 今回はその顛末を書きつつ、「皆さんならどうするか?」を
 考える材料にしてもらえたらと思います。

 息子の通う中学は家から電車を乗り継いで1時間半くらいか
 かります。

 通常、6時20分の電車に乗り、乗りついで8時前後に到着
 というのがパターンなんですね。

 運動会の当日も同じ電車に乗りました。

 ただ当日は若干空模様も怪しく、授業があるかもしれないか
 らと教科書なども一緒に持って行った。

 これは性格もあるんですが、息子は教科書やノートが濡れた
 り、汚れたりすることを極端に嫌がります。

 なので、当日は普段持っていくカバンでは雨が降ると中まで
 しみ込んでしまうとの理由で雨をはじくカバンに代えて行っ
 たんですな。

 ただ教科書などもろもろ入れたら体操服が入らなくなっちゃ
 った。

 しかたなくカバンと体操服は手に持って出発と相成った。

 皆さんにもいつも言っていますが、入試でも運動会でも、ど
 んな特別な日であっても、「いつもと同じように」してほし
 いとストロングは言ってきました。

 「入試だから・・・」
 「運動会だから・・・」

 といって、いつもと変えちゃダメと。

 「いつもと違う」形で入ることで余計な緊張感やいつもと違
 う感をヘンな形で出してほしくないからです。

 いつだって「いつも通り」で。

 雨でカバンの中が濡れるのがイヤならカバンにナイロンをか
 ぶせるか、カバンの中身をナイロンで包むかすればイイ。

 間違いの1つはいつもと違うカバンを持っていったこと、こ
 れはのちに子供に言ったことです。

 その日の朝は、もう1つ、いつもと違うことをしていました。

 嫁が家が出る時間がいつもより遅くなったことで

 「自転車で駅まで行ったら?」

 と言ったんですな。

 「私がすぐに自転車を取りに行くから」なんてことも言った
 ようです。

 息子は「うん」と言っていつもは歩いていく駅へ自転車で行
 った。

 皆さんのお子さんにも、それぞれ兄弟姉妹でよく犯す典型的
 ミスというのが中学生くらいになれば明らかになっていると
 思います。

 ウチの息子がよくやるのが乗りものなどに乗ったときに手か
 ら離したものはたいてい忘れるということです。

 たとえば、リュック背負って、手に傘を持った場合、傘を手
 から放した瞬間があれば確実に置き忘れてしまいます。

 ただストロングは忘れるな!とは言わない。

 「手から離したらボクは忘れるんだ!」という認識をはっき
 り持って置いて、大事なものは手に持つな!と。

 極端にいえば忘れてもイイと息子には言っています、忘れて
 もいいものは。

 でも、自分がこういう場合、「忘れやすいんだ」とだけ理解
 はしておけと。

 忘れてもいいものは手に持ってもいいけど、そうじゃないも
 のはできる限りカバンに入れておけと。

 そういう意味ではリュックが一番イイんですな。

 しかし、よりによって運動会当日に理由はどうあれ、「いつ
 もの」リュックを肩下げカバンに代えた。さらにあろうこと
 か、いつもはしない自転車で駅へ。

 カバンは重たいから肩からさげて自転車に乗る。体操服の入
 った袋は前のカゴに置く。

 これに息子のよく犯す「習性」が重なればチーンですよね。

 まあ、見事に自転車のカゴに置き忘れて電車に乗っちゃった。

 さらにすぐに自転車を取りに行くと言っていた嫁は「すぐに
 は行かなかった」のです。

 行けば忘れていることにすぐに気づいたはずなんですが。

 さらにさらに当日は電車が遅れていて、いつもなら同級生が
 どんどん乗ってくる電車に誰も乗ってこなかった...etcも重
 なり、息子はほとんど気づかないまま、1時間ほど電車に揺
 られていた。

 そして電車を乗り換えるちょっと前に気づいた。

 「ああああああああああああああ・・・・・・」ってね。

 慌てて携帯電話からメールは嫁に送ってきた。

 「ヤバイ。体操服を置き忘た。どうしよう」と。

 ちょうどその頃、ストロングは車で家を出て運動会に向かっ
 ていたんですね。

 嫁さんが仕事で運動会は午前中の2時間しか見られないとの
 ことだったので嫁さんを乗せて。

 そしたら嫁が携帯を見て「体操服がどうのこの・・・」と。

 「残念だったねえ。もう車で出ちゃったよ。自分で取りに返
  らせろよ!」
 
 「ええーー、それじゃ間に合わないと思うの。それに一番最
  初の種目に出るみたいだから」

 「じゃあ、出なきゃいいんじゃあない。どうしても出たいな
  ら学生服で出るとかさあ」

 「そんな・・・中学生になって初めての運動会なのよ。そん
  なかわいそうなことは・・・」

 「なにがかわいそうなんや? 自業自得やろ!」

 そのとき車中で初めて

 「カバンを代えたこと」
 「自転車で初めて駅に行ったこと」

 などが次々と明らかになったんですな。

 息子が体操服を忘れたのはストロングもよくあるので、むし
 ろおもしろがって楽しんでいたのですが、嫁の話を聞いて、

 「いつもと違うことをした」

 ことについてブチ切れた。

 なおかつ「いつもと違うことをした」2つのうち1つは嫁が
 息子に「間に合わないかったらいけないので自転車で行った
 ら?」なんて自ら勧めたことが明らかになった時点で

 ストロングは、ハンドル握りながら、ブチブチブチ切れた。

 そしていつもの決め言葉である

 「オレの子になんてことしてくれるんだ!!!」と叫んだ。

 嫁さんの名誉のために少しだけ補足すると、「自転車で行っ
 たら・・・」と言って息子を送りだした後、洗濯モノを干し
 ながら、

 「ああ、いつもと違うことをしちゃったなあ」と悪い予感が
 あったとのことでした。

 ホンマかいな!?

 さて、夫婦の車中の喧嘩はさておき、たぶん顔面が蒼白にな
 っていたであろう息子。

 とりあえず電車に乗り換えて学校へ向かいつつ、携帯で嫁と
 メールのやり取りが続く。

 最初のメールは先にも書いた

 「ヤバイ。体操服を置き忘た。どうしよう」

 ストロングは嫁に言いました。

 「ヤバイじゃないだろ!? どうしたいのかを書くのがお前
  に必要なんじゃないのか? ボケと書いて送れ!」と。

 すぐに返信があって

 「すいません。自業自得です。運動会に出る資格がないのは
  自覚していますが、運動会にはどうしても出たいです。体
  操服を持ってきてもらえませんか。父さんにそう伝えてく
  ださい」と。

 「自分で取りに返ったほうが潔くてイイと思うけどなあ」

 と言いながらも、まあ、結局ストロングたちが取りに返ろう
 と車で引き返したんですな。

 普通に引き返して体操服を持って学校に行ったとしても、9
 時開始にはギリギリの感じでした。

 ギリギリ第一種目には間に合うかも!?ってところです。

 ここには書きませんが、奥の手を出していろいろと手を尽く
 せば、8時45分くらいには持っていける可能性もあった。

 でも、ストロングはしませんでした。

 奥の手も出さないし、途中でゆっくりガソリンとかを入れた
 りしてね。

 ストロングは意地悪ですか?

 9時には絶対に間に合わないように、それはすなわち運動会
 の第一種目に出番があった息子はそれには出られないことを
 意味していたんですが、そうなるように時間見ながら学校に
 向かいました。

 なぜって!?

 だって、これで間に合ったら、「やれやれ、良かったねえ、
 間に合って」とかで終わると思ったからです。

 「ギリギリセーフ事件」にはしたくなかった。

 これまで書いた事情からして、間に合わせるのにあくせくす
 るのはここでは親になります。

 親があくせくして、間に合わせてやる意味があるのか? 
 それはあいつのためになるのか?

 手から離れた瞬間に置き忘れる。その習性については、息子
 には一人でバスに乗るようになった4年生からずっと言って
 きました。失敗もした。

 息子もそのアドバイスが右から左に抜けていくという感じで
 はなかったけれど、もう1つきっちり頭の中に叩き込んでお
 いてほしかった。

 「イイ機会やないか?」

 「会社の重要な書類や手形を電車に忘れたらエライことにな
  るんやで」

 とか、まあ、そういうことを車中で嫁に話しながら行ったわ
 けです。

 ストロングがこの緊急時に、1分でも早く学校に行ってやら
 なければと思っている最中にゆっくりガソリンを入れている
 頃には嫁も諦めていましたけどね。

 結局学校についたのは9時15分くらいでしたか。

 息子は学校には連絡だけ入れて、学校には行かずに、学校の
 近くの待ち合わせ場所で8時くらいから1時間少々待ってい
 たようです。

 体操服を持って駆けだした嫁が息子のところに走ってなにや
 ら言っていましたが、息子はすぐに走って学校に向かってい
 きました。

 「顔面蒼白で涙目だったよ」と嫁。

 「やばい」と気づいてからの1時間ちょっとが長く感じられ
 たはずです。もしかして間に合うかも!?と期待もしていた
 かもしれません。

 「顔面蒼白で涙目だった」なら良かったというのがストロン
 グの思い。

 あとで息子に聞くと、車からストロングが飛び出してきて、
 ブン殴られることは覚悟していたとか!?

 結局、息子は遅刻しました。第一種目にも出られず。

 ストロングは運動会は見ずに帰るつもりでしたが、「顔面蒼
 白」な出来事があったあと、どういう顔で種目に出ているの
 かを確認したくなった。

 もし、次の種目で「ふて腐れたなような態度」で切り替えも
 せず、種目に出ていたら、もう1つガツンと言うつもりでした。

 見たところ、微妙な表情でしたな。

 さえない顔をしているようにも見えたし、苦手な種目だから
 そうなってしまったようにも見えた。

 どっちだったんだろう!?

 「お前、いつもあんな顔してやってるの?」

 「ハイ。いつもです」。う・・・ん、ビミョーだなあ。

 で、午前中の早い時間にストロングは家に帰りました。

 さあ、皆さんの家庭で同じようなことが起こった時、どうし
 ますか?

 やっぱり嫁が言うように1分1秒でも早く体操服を持って行
 きますか? それともストロングを支持してくれますか?

 別に正解はないです。

 でも、ストロングはあれで良かったと思っています。

 ただね、昼前に家に帰って、顔面蒼白で涙になって遅刻した
 息子のことを考えると、「本当にあれで良かったか?」と考
 えてしまいました。

 なんだかせつなくて・・・

 ちょっと仕事する気分ではなかったなあ。

 家に帰ってきた息子はすぐにストロングの部屋に来て、

 「このたびはご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」

 と軍人さんみたいな直立不動で言っていました。

 「ああ、謝らんでもええよ。今日お前に1つ伝説が生まれた
  んや。これからこうした伝説がたぶんあと2つくらい生ま
  れるだろうけど、お前にとって大事な伝説だから、大切に
  しろよ。伝説は自分で他人に話して笑いを取って初めて完
  結するだからな」

 友達には遅刻した理由が「体操服を忘れた」からとは言えな
 かった見たいです。

 息子の修行はまだまだ続きます。

 果たしてストロングのしたことは、あれで良かったのか?

 ウチはこうしましたが、皆さんだったらどうしたでしょうかね?

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