ご褒美は「自由な時間」
2011年10月11日です。こんにちは、ストロング宮迫です。
この間、お母さん同士の話を耳にする機会がありました。
悩みを抱えているお母さんは中学生のお子さんがいらっしゃ
るようで、だいたいこんな感じの話でした。
「テスト週間になると、テレビを見てはいけない、ゲームは
してはいけないって怒る。」
「テストの出来が悪いと、あれはしてはいけない、これはし
てはいけないってなる。」
「でも、結局あれはダメ、これはダメの禁止令は出せば出す
ほど子供のやる気がどんどんなくなっていっているような
気がする」と。
「だからといって、頑張ったら何かを買ってあげるとか、し
てあげるって言うのはすごいイヤ。そういうのは私はキラ
イなの。」
「禁止令がダメで、ご褒美はイヤでってなると、もうどうし
ようもないのよ」と。
違うお母さんが
「そうね。なになにしてはいけない!っていう禁止令は、や
っぱり子供にはダメよね、よくないわ。」
「やっぱり子供には何かを達成したら、こんなイイことがあ
るっていう誘導のほうが大切なんじゃないかしら」
「達成したらイイことか・・・ わかるけど、じゃあ、子供
にとって『こんなにイイこと』ってどういうのがある?」
「う・・・ん、そうねえ。なにがあるかしらねえ・・・」
とまあ、だいたいこういうお話しだったんですね。
皆さんもこんなお話しをお母さん同士でしていらっしゃるん
でしょうか?
このメルマガではご褒美は「モノ」じゃいけません!と何度
も書いてきました。
「モノ」のご褒美は結局エスカレートしていくばかりで、冗
談で最後は「フェラーリ」になっちゃいますよなんて書いた
こともあります。
悩んでいるお母さんもご褒美で「モノ」をあげるのはイヤと
言っていました。
一方のお母さんは
「何かを達成したら、こんなイイことがある」
という夢がないと子供は動かないという話を持ち出したので
すが、さて
子供にとって「こんなイイこと」ってなんですか?
と問われたら、「ええっと、ええっと・・・」でイイ意見が
出ませんでした。
結局、「頑張るしかないわよね」となったのか「仕方ないわ
よね」となったのかは定かではありませんが、皆さんはどう
お考えになりますか?
ストロングは話を聞いていて、「そんなに難しく考えなくて
もいいんじゃないかなあ」と思いました。
いつも書いている通り、
ご褒美は「自由な時間」でいいんじゃないでしょうか?
子供にとって「こんなイイこと」とは、
「フリーな時間が与えられる」ことじゃないのかと。
ええーー、そんなのでは今の子供は喜ばないって!?
そうかなあ・・・
たとえば、中学生がテスト週間を経て定期テストが終わった
とします。
残念なことにテストが終わった日なのに「今日は塾かよ!」
なんてことが日程的にはあります。
で、しぶしぶ塾に行く。授業を受けて、
「ハイ!本日はテストを頑張った君たちにご褒美です。
宿題はなし! ゆっくり身体を休めるように!」
って言うと、
「イェーーーーーイ!」
と中学生は大喜びで言います。
家庭教師で入っている家庭の子供のテストが終わって、テス
ト終了直後に指導に行って、やっぱり同じように
「ハイ!本日はテストを頑張ったご褒美です。宿題はなし!」
って言うと、
「ワァーーーーーイ!」
とやっぱり中学生は大喜びで言います。
先週、テストが終わった中学生の我が子は、
「テストも終わったことですし、今日日曜日は完全にフリーっ
てことでいいですか?」
とストロングに聞いてきたので、
「うーーん、どうしようかな・・・」と一応もったいつけて
おいて(お約束)、
「フリーです!!!」
って言ったら、
「ヨッシャーーーーー!!」って涙ぐんでました。
テストで頑張ったら、ご褒美で「自由な時間」。
時代は変われども、生徒でも我が子でも、少なくともこの20年、
中学生はもとより小学生でも「自由な時間」のご褒美は例外なく
みな大喜びしてきました。
だから、「子供にとって何かイイことってなんだろう?」って
難しく考えずに「フリー」にしてあげたらいいのにと思う。
それほど「フリーな時間」というのは子供にとっては魅力的な
ものだとストロングは認識しています。
それがまた次への頑張りにもつながるし。
周りを見渡すと、システムとして拷問に近いなあとストロング
が思うものがあります。
例えば、これも前に少し書きましたが、中学受験なんかで、日
曜日の午前中にテストがあるとしますよね。
中学受験なんかの場合は、午前中のテストに続いて、
「ハイ、午後からはテスト直しと解説です」
とか
「引き続きご飯を食べたら特別講座です!」
とかやっているところがある。
前にこのことを書いたときはテストがあった日の夜の8時頃、
電車に塾帰りの子供たちが乗ってきたのを見て、「オイオイ、
この子ら、朝テストして今帰ってるの!?」とグッタリした
子供たちを見て書いたわけです。
あれはキツイと思いますよ。
だって、子供たちはテストに向けて1週間ごとのテストであ
ろうと、1ヶ月単位のテストであろうと、全力で頑張ってきた。
その上に、テストでは精魂傾けて3時間近く向き合ったわけ
です。
子供たちにとっては血みどろの闘いだったわけです。テスト
前夜の追い込み勉強からテストでもうヘロヘロだと思うんです。
それなのに
「ハイ、午後からは・・・・」なんて・・・
ストロングだったら、グレますね、絶対に。
頑張ったご褒美が「テストの解説授業」や「特別講座」なんて!
だから、あれは拷問に近いんじゃないかなあと書いたわけです。
もし自分の子供だったら、テストが終わったら
「おい、帰ってこい。休め休め! お前、頑張ったんだろ?
明日からまた始まるんだから。午後はフリーでいこうぜ!」
と言う。
子供は言うでしょう。
「いやあ、さぼるわけにはいかないよ。皆も受けるし」とか。
真面目ですよね、子供は。
「でもさあ、お前、昼からも午前中と同じくらい頑張れるのか?
精一杯テストに向けて頑張ってテストですべて出したんだろ?
そこからもう1回全力で走るなんて無理だろ? できるんなら
いいけどさあ」
「ううん、まあでも頑張るしかな・・・いよねえ」と子供。
「いいよ、もうさぼっちゃえよ。映画行こうぜ!」とかね。
もし、授業があるのにこんなことを大人に言われたら、子供っ
てどんな反応をすると思いますか?
死ぬほど喜びます!!!
時間的にもカリキュラム的にも午後からすべてフリーとはなら
なくても、夜に一定時間は勉強をするとしても、テスト終了後
から5時間くらいは完全にフリーにしてやったほうが、夜も頑
張れるっていうもんじゃないでしょうか。
現に子供たちは、映画見て、ラーメン食わせたら、その夜のテ
ストの見直し、頑張るもん!
どうですか?
ただそもそもご褒美が「自由な時間」で大喜びとなるのは、普
段があまり自由じゃないからご褒美になり得るわけです。
塾の生徒や家庭教師の生徒が「宿題なし!」で大喜びなのは、
いつもキッチリ宿題が出て、その宿題をキッチリ確認されて、
やっていないとかできていなければ延長戦で余分にやらされる
という日々の生活があるから、フリーに価値があり、「ご褒美」
になる。
中学生の子供が「フリーです!」で涙ぐむというのは、普段が
全然フリーじゃないからでしょう。
そうして考えてみると、ご褒美が「自由な時間」で満足となる
ためには、
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「テスト週間になると、テレビを見てはいけない、ゲームは
してはいけないって怒る。」
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ではダメってことですよね。
普段からちゃんとテレビもゲームの抑制された状態でこそ、
フリーに意味が出てくるわけですから。
普段からまったく見るな!とかするな!ではなく、制約がある
状態という意味です。
普段はテレビもゲームもやり放題で、「今日はフリーです!」
って言われてもうれしくないですもの。
それに普段野放図にやりたい放題で、テスト週間になったら、
変身!というのはかなり高度な技です。
ケジメをつけて、きれいに分けて考えられるのは「成績がイイ
子」といえます。
成績がイマイチであれば、なおさら「テスト週間だから変身!」
とならなくてもいいような普段の生活が問われる。
現在でも、高校受験、中学受験にかかわらず、子供たちには、
ご褒美が「自由な時間」は十分通用します。
もしそれが魅力的なモノにあなたのお子さんに映らないとす
れば、それは普段の生活に大きな問題が潜んでいると言える
んじゃないでしょうか?
あっ、そうそう、テスト終了後に「フリー」を獲得して涙ぐん
でご褒美を堪能した中学生どもも、翌日以降から始まるテスト
返却によって再び絞られる生活が再び始まりますのよ。
お気の毒にねえ・・・
きっと夜に見る夢は「フリーな時間」なんだろうなあ。